10/12/2009

Korea Sparkling 3

昔住んでいたこともあって、韓国には観光というよりも知り合いに会う為に行くことが多いのですが、今年の夏はベタな日本人観光客を気取り、久しぶりのソウルを満喫してきました。

選んだベースはショッピング街・明洞(ミョンドン)。しかし、そこは今や日本人だけでなく中国人にも席巻され、中国語の看板、中華料理店、中国語の客引きも少なくありません。それでも、円高バブルに沸く日本人観光客強し。食事を取ろうとレストランに入って、気が付くと周りは日本人ばかり。オシャレなカフェやブティックのある三清洞(サムチョンドン)でも、交通アクセスの悪い、ソウルの外れにある韓国宮廷料理の店でも、どこにでも日本人がいました。新大久保と大して変わらないですよね。日本では目を皿にしてスーパーのチラシの大特価セールをチェックしている(であろう)おばさんたちが、隣の国の経済を刺激している様子を見ると、ちょっぴりおかしくもありました。


そして、明洞のすぐ近くにある韓国のランドマーク、Nソウルタワーにも行きました。昔は、東京タワーより「高い」を目標に、韓国人の気合だけで建てたような寂しいところでしたが、今では立派に改装され、LEDのライトアップも施されて、モダンな観光スポットに変身。因みに333mの東京タワーより高いと言っても、Nソウルタワーの479.7mはあくまで海抜の高さ。山の上に建てたのでタワーそのものは東京タワーより低いのですが。こんなところにも見栄っ張りだけど、憎めない韓国人の気質が見えます。


今回新たなお気に入りスポットになったのが清渓川(チョンゲチョン)。以前は高速道路とその高架に商店街が立ち並んでいるイメージしかありませんでしたが、当時ソウル市長だった李明博現韓国大統領が2年がかりで2005年に完成させ、今や都心のオアシス。足を川に入れて暑気払いをしているソウル市民が羨ましくもありました。東京にもこんなところがあれば良いのにな~。


帰りに金浦空港内にある映画館を覗いてみると、日本の劇場アニメSummer Warsが上映中でした。その時はこの映画は面白いのかなとしか考えませんでしたが、帰国直後に金大中前大統領の訃報に触れ、彼の日本文化開放政策のお陰で上映されているのだなと思うと感慨深いものがありました。開放政策が議論されていた頃、日本のサブカルチャーに食われてしまうのではないかと心配されていましたが、Summer Warsにしても、今やその映画製作におけるCG等は韓国のサポートなくしてはあり得ません。そして、韓国の映画、ドラマ、音楽が日本でも多くの支持を得ているのは誰もが知るところです。


これまで1~2年に一回訪れる度に韓国の変化は感じ取っていたつもりでしたが、昔馴染みの場所を再度訪ねてみて、その変化を改めて強く感じました。昔ソウルに住んでいた頃は、韓国製品は粗悪で、SONYやPanasonic等はみんなの憧れでしたが、今やSamsungやLGの商標は米国だけでなく、中国、インド等の新興国でも多く見られる一方で、日本の商標は残念ながらあまり見かけません。日本に追い付け、追い越せと言っていた当時とは隔世の感があります。韓国という国は物凄いスピードで変化し続けるとつくづく感じます。一方で、実際に住んでいるせいもあるとは思いますが、日本はどうも遅々としている気がしてなりません。今回の旅で韓国の変化を感じつつ、(日本だけでなく)自分も果たして変わり続けているのか、成長し続けているのかと考えてみたのでした。